症例2

61歳 女性 パート職員

5月3日、左肘内側に突然強い痛みが出現し、夜間疼いて眠れなくなる。
7日、整形外科受診し、ゴルフ肘と診断、疼痛部位にステロイドの注射を受ける。
も効果はなく、夜間痛、睡眠障害が続いた。
11日、当クリニックを受診、筋膜性疼痛症候群診断(罹患筋は上腕三頭筋内側頭)でトリガーポイント鍼療法を行ない夜間痛は改善、夜間眠れるようになる。(図4)

図4(●疼痛部位 ●軽度の知覚鈍麻 ×トリガーポイント)
図4(疼痛部位 軽度の知覚鈍麻 ×トリガーポイント)

その翌日の12日(痛みが発症して9日後)左前腕から中指にかけて皮疹が出現。
14日、かかりつけの内科を受診し帯状疱疹の診断で抗ウイルス薬を処方される。
16日、当クリニック再診、左側第7頚神経(C7)の帯状疱疹を確認。
左前腕~中指の皮疹部を触れた際のピリピリする痛み、左前腕屈筋側非皮疹部の軽度の知覚鈍麻と、同部に時々起るズキンという自発痛が認められた。(図5)

図5(●皮疹部位 ●軽度の知覚鈍麻および時々起る自発痛の部位 ×トリガーポイント)
図5(皮疹部位 ●軽度の知覚鈍麻および時々起る自発痛の部位 ×トリガーポイント)

橈側手根屈筋 指屈筋群の他動的伸展時により前腕 中指に関連痛が誘発されたため、これらを罹患筋と診断し、トリガーポイント鍼療法を行なう。
治療後 皮疹部を触れた際のピリピリする痛みと左前腕屈筋側非皮疹部の軽度の知覚鈍麻は軽減。
後日(6月3日)電話にて 皮疹部のピリピリする痛みと 非皮疹部に時々起るズキンという強い痛みは改善、同部の知覚鈍麻がわずかに残っていることを確認。

帯状疱疹急性期
抗ウイルス薬の投与
痛みに対しては筋膜痛の診断(罹患筋診断)を行なった上でトリガーポイント治療

帯状疱疹慢性期の痛み
筋膜痛の診断(罹患筋診断)を行なった上でトリガーポイント治療